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履歴書猿人開発の経緯

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有名サイトの作者もすなる開発の経緯話といふものを 無名サイトの作者もしてみんとてするなり

 履歴書猿人開発の経緯をご紹介します。

管理人の失業時代

管理人は今から20年ほど前、職探しをしておりまして、当然履歴書を書く必要があったのですが、手書きの履歴書など書く気にはなれず、かといって高価なワープロソフトを買う事にも抵抗があり、どうしたものかと思案しておりました。

その時ふと、当時仕事で使っていた TeX という組版システムで履歴書が作れるのではないかと思いつき、さっそくスタイルファイル(ワープロのテンプレートのようなもの)の作成に取り組みました。その成果はまずまずのもので、管理人は 2 通の美しい履歴書を手に入れました。

さて管理人は結局フリーランスで食べていくことになったので、そのスタイルファイルは早々と用済みになりました。でもそのまま捨ててしまうのはもったいないし、便利なものはみんなに使ってもらうのがいいだろうと考え、少し手直しして、説明なども加えて一般公開しました。それが「履歴書スタイルファイル Version 1.0」です。1996年秋の事です。

履歴書スタイルファイル、広く使われる

「履歴書スタイルファイル」は当時それなりに使われました。自由なソフトウエア(free software)だったので、多くの方々が改良版を開発してくださいました。ある方はメール欄を追加してくださり、またある方は写真を取り込めるようにしてくださいました。それらの改善は本家のスタイルファイルにも反映させました。当時はYahoo などで「履歴書」で検索すると、1ページ目に表示されました。

オワコン化の現実

ところが2000年代に入り、インターネット上の履歴書作成サイトが登場してくると、私のスタイルファイルは次第に使われなくなりました。あるいは TeX ユーザそのものが減っていたのかもしれません。TeX は優れたシステムですが、使うのが難しい事でも有名です。

それでも当時管理人は、Web 上の履歴書作成サイトなるものに懐疑的でした。第一に、個人情報をインターネット上のサイトに書き込むことはセキュリティ上のリスクが高いと考えていました。その点 TeX は個人のパソコンで完結していますから、セキュリティリスクは皆無です。第二に、Web 上の履歴書作成サイトの多く(全部ではない)は出力品質に問題がありました。文字の位置や大きさがアンバランスなもの、行頭に句読点が印字されるものなどがあり、中には文字と罫線が重なっているような粗悪なものまでありました。というわけで「履歴書スタイルファイル」は、Web 上のライバル達と比べても、品質・安全性に勝ると管理人は考えていました。

でも時代の流れに逆らうことはできませんでした。「履歴書スタイルファイル」はますます使われなくなり、いつしか検索サイトのランキングからも姿を消しました。いわゆる「オワコン」という現実を管理人も受け入れざるを得ませんでした。

履歴書猿人の発想

ここに至ってようやく管理人は、 TeXWebサービスの得失についてまじめに考え直しました。

  • TeX の品質は高く、セキュリティリスクもないが、個人が使うのは容易ではない
  • Webサービスは容易に使えるが、セキュリティリスクがある

それならば「TeX の品質とWeb の使い易さを兼ね備え、セキュリティにも配慮したシステムを作ろう」と一念発起して取り組んだのが「履歴書猿人」です。

システムを構築するにあたって最も重視したのは、TeX 特有の概念を利用者に見せないことでした。利用者は少しでも難しいと感じたら、使うのをやめるに違いないと思ったからです。

セキュリティ対策では、個人情報をサーバに保存せず、本当に必要なときのみサーバに送って、処理が終わると直ちに消去するようにしました。いまどきのシステムではサーバにデータを置く事が当たり前になっていますが、これはとても危険です。どんなにセキュリティ対策を施しても、サーバに個人情報を保存する限り、クラッカーからはねらわれ続け、いつかセキュリティは破られるからです。

また利用者に安心して使っていただくため、個人情報をどのように扱っているかを詳しく説明しました。

オワコンなんて怖くない

2013年の秋、「履歴書猿人アルファ版」はひっそりと船出しました。テーマは「出力品質とセキュリティ」です。「同じ事にこだわって、また同じ失敗を繰り返すつもり?」と言われるかもしれませんが、このテーマはむしろ今後ますます重要になってくると信じています。時代に取り残されたら、またやり方を変えて出直すだけです。

そうして生まれたシステムは、ようやく仕事を始めたばかりの子どものような感じです。ちゃんと役に立っているだろうか、粗相はしてないか、と日々気になっています。

 

さて以上、長々と開発の経緯話をしてまいりましたが、 無名サイトの管理人の割に、結構偉そうに語ってしまった手前、出力品質とセキュリティについてはとりわけ厳しいご叱責があることを覚悟しております。メールまたはメインメニューの「報告」でご意見等お送りいただけると幸いです。ではグッドラック!